「ううん……! やっぱりここで大丈夫!」
「心配しなくても、もし追っ手が来たら俺がちゃんと逃がすから」
そっちの心配じゃないんですけど……。
そりゃ白坂くんが追われるのは心配だけどさ。
「なんか不安なことある?」
ん?と白坂くんが顔を近づけてくる。
すると、バンッ!と大きな音を響かせ、先輩が図書室を出て行った。
「も、もう、大丈夫!」
先輩には申し訳ないような、ありがたいような複雑な心境ではあるけど。
「ふーん。じゃあまた今度部屋に呼ぶ」
「っ!?」
今度って……。
その真意を聞くのはやめておこう。
今はテストに向けて勉強しなきゃいけないし。
ようやく教科書を開いて、ふたりで問題を解いていく。



