───次の日の朝。
ごわついていた髪はしっとりとまとまりを見せ、見違えるほど艶かになっていた。
おお……。
サラサラ揺れるのが気持ちいいだなんて、トリートメントは素晴らしいのだとこの年で初めて痛感した。
さすが若宮さんのお告げである。
「小夏……!? お前、その髪……」
ゲッ!!
教室へ向かう廊下で涼太と鉢合わせた。
よほど驚いたのか、絶交中だっていうのに今までみたいに声をかけてきた。
「なに……?」
サラサラ揺れる私の髪が珍しいのか、髪と顔を交互に見てくる。
そんな顔しなくてもいいじゃん!
「……っ、か、変わり映えしねーな、ホント! 少しは、若宮を見習ってみたらどーなんだよ……!」
「はぁ!? なんなの!? これでも、トリートメントしたのに!」
しかも、お母さんのお高いやつ!!



