さすがに早く来すぎただろうか。 仕方がない、あれ以上家にいるとぜったいにお母さんに質問攻めされていた。 逆に待ち合わせ時間より遅くなっていたかもしれない。 一瞬寄り道でもしようかと考えたけれど、トラブルがあって時間ギリギリになる可能性もあるため、まっすぐ待ち合わせ場所に向かう。 改札を通り、その周辺で足を止めようと思ったそのとき……。 「……へ」 思わず間抜けな声が出てしまった。 ある一点に目が留まり、その場から動けなくなる。