そのあとの予定は決まっていないけれど、きっと橘くんはつまらないと思い、帰る選択を取るだろう。


私のやるべきことは、少しでも橘くんのつまらなさを軽減することである。

せっかく私のために貴重な時間を割いてくれているのだ。


「お母さん、変じゃない……?」
「変じゃないわよ。天音に似合ってる」


準備を終え、あとは家を出るのみになったけれど。
今になって服装が変ではないか不安になった私。


ピンクのフレアスカートに、白のトップスを合わせたシンプルな格好だったけれど。

果たして女らしく見えるだろうか。


実は頑張ってメイクもしている。
そこまで技術はないため、おそらく気づかれない程度だ。