「そんな……悲しいな」 「早く食材調達に行こう?」 話を変えて、彼の着るジャケットを引っ張る。 「裾を掴んで上目遣い……ダメージが」 「えっ……」 「ううん、とりあえず外では我慢だ。家に着いたら姫野さんを愛でればいい……」 「橘くん?」 「姫野さんが好きなのはデミグラスのハンバーグなんだよね。トッピングはなににしようか」 なんだか今、ハンバーグではなく違う話をしていたような……けれど橘くんはニコニコ笑っていたため、気にしないことにした。