「見て、あの子が……」 「そうなの?」 気のせいだろうか。 上履きに履き替えているとき、やけに人の視線を感じたのは。 少し違和感を抱いたけれど、気のせいだろうと思って教室へ目指して足を進める。 「確かにかわいいな」 「でもびっくりしたぞ俺は」 おかしい、なにかが。 私の学年である2年の教室が並ぶ、北校舎に移動したとき。 ようやく“いつもと違う状況”に気がついた。 私のクラスは北校舎の3階であるため、階段をのぼる中。 同じ学年の人たちから視線を感じ、ヒソヒソと話していたのだ。