「もうすぐテストだね。 姫野さんは勉強、してる?」 「は、はい……!」 梅雨が明け、本格的な夏の暑さが訪れてくる6月下旬。 気づけば橘くんと付き合い始め、1ヶ月以上経っていたある日の帰り道のこと。 いつものように橘くんと帰っていると、突然テストの話をされた。 「姫野さん……?」 つい考えごとをしていたため、橘くんが不思議そうに私を見つめてきた。 慌てて笑顔を浮かべて、テストの話に触れる。