ガタっ



ガラガラ



「由香ちゃん約束破ったでしょ」




そうだ光汰先輩は約束を破る人が嫌いなんだっけ



じゃあきっと怒ってるよね




それじゃあ今好きって言ってもだめかもしれない



でも今伝えたい



「光汰先輩...怒ってます?」



「怒ってるよ」




ですよね~はぁ~



今伝えたくても怒ってる人に好きっていうのはちょっと...



「それは私が約束を破ったからですか?」




あぁ~どうしよ~涙出てきちゃったぁ~




こんなかっこ悪い姿見せたくない





「すいませんちょっと」




とりあえず顔洗おう


「それはちょっとちがうなぁ~」


「えっ」



「俺が起こっているのは好きな人ひとり守ってやれない自分にだよ」




「好きな人って...」



「誰だかわかる?」



「えっ」




「俺の目の前にいるよ」



えっ目の前って



「わたし?」





「そうだよ。」



「ほんとですか?」




「うん。そうだよ」




「ホントですか?」




「うんそうだよ」





「ホントですか?」




「何回も聞いたっておなじだよぉ」




「えっだって信じられなくて...」



「由香ちゃんは俺が好きって言ったら迷惑?」




「いやそんなことはなくって...わたしも光汰先輩のこと好きです」




「ほんと?」





「.....はい」



「じゃあ両想いってことでいい?」




「はい」



「それじゃあ俺が好きってもう一回言える?」




「えっそれは...」




「はやく 俺が好きなんでしょ?」



「先輩。意地悪ですよ」



「はいはい」



「じゃあ先輩も言ってくれますか?」



「由香ちゃんが言ってくれたらね」



「光汰先輩のことがす



チュ



えっ




その音は先輩と私の唇が重なったことを意味していた




「俺も好きだよ」



「突然すぎますよ」




「顔真っ赤だよぉ~」



「先輩のせいじゃないですか」



「まぁまぁ」



「ところですっかり忘れていたんですけど先輩私が約束破ったの怒ってないんですか?」



「あ~あそれね。由香ちゃんが破ろうとして破ったなら怒ってたかもしれないけどちゃんと事情があるんでしょ」


「えっそれはまぁ~」



「教室から帰ってくるとき聞いたんだよね。同学年の女子が由香ちゃんに悪いことしたってこと」



「そうなんですか」



「うんそうだね。まぁ~この話はもういいじゃんもっと由香ちゃんとチュってしたいなぁ~」



「もう先輩由羽兄ぃと約束してるんですよね~」



「もう少しもう少し。由香ちゃん可愛がってあげるからね」



「..」


「あっまた顔赤くなった」




「先輩のせいじゃないですか」



「あははは」



このときは知らなかった





この学校一の人気者が







溺愛王子様だったとは















fin