「し、篠原?!」
戸惑う先輩を他所に私は目にうるうると涙を溜める。
保健室の外の廊下からは、
「ねぇ、なんか悲鳴聞こえなかった?」
「どこからだろ」
なんて騒ついてるのがわかる。
「先輩っ、ひどい!!」
「なっ!?お、俺は何もやってない!!」
「無理やりキスしたじゃないですか!!」
「……っ」
私はわざと声を張り上げた。
何も言えなくなった先輩は、誰も来ないうちにと、逃げるように保健室を出て行った。
ふん。してやったり。
先輩がいなくなった後、保健室の入り口目掛けて立てた親指を下に向けた。
「一昨日きやがれ!」
……いや、一昨日来たとしても相手にはしないけど。



