てか、キスしようとしていた俺が言うのもなんだが、もっと違う回避方法あったろ…!
顔をひくつかせた俺に、してやったりな表情になった篠原さんは軽やかにベッドの上から降り、乱れていた制服を整える。
「私、無駄なキスはしたくないの」
「は…?」
こ、こいつ今、俺とのキスが無駄っつった…?!
俄然とする俺を他所に、篠原さんはそのままスタスタ歩いて、鞄を肩にかけると、再度俺へ向き直った。
「"同類"のよしみで許してあげるけど、次はないから」
同類ーーー…
その言葉に、俺はフッと笑った。
なんだ、やっぱりそうなんじゃ、
「外見だけで好かれて、『イメージと違う』って言われるから、みんなのイメージに合わせた自分を偽ってるだけ…でしょ?」
「……っ!!」
ハッとして顔を上げてしまったのは、たぶん図星だったから。
ずっとずっと思ってきたことで、隠してきたことだったからだ。



