「確認するまでもないわ!!」


そう仁王立ちで叫んだ女の子に俺は目をパチクリとさせた。



……初めて女子に断られた。



俺に靡きもせず、媚びもしない。
なんならさっき助けようと思ったのに、自分で追い返せてしまう女の子。





学校1の美少女、篠原穂花。

パッチリ二重の大きな目に、縁取られた長い睫毛、ふわりと揺れる軽くウェーブかかった髪は見た目はゆるふわ美少女だ。

うん、見た目は。


細い腰に、はだけている服から見える豊満な胸は男子だったら思わず目がいってしまうだろう。


2年になって同じクラスになったものの、どうせ他の女と一緒かと思いきや、こんな面白い子だったなんて。



「確認するまでもないって…俺、本当にキス上手いけど、いいの?」


俺が挑発するように笑えば、篠原さんは目を細めて心底嫌なそうな顔をしてくる。


……女子であの顔はアウトじゃないか?



       
「私は"うまさを"確認してるんじゃないの!!」


そして、

そう断言する彼女に、俺の頭上にハテナが浮かぶ。