本当のキスを教えて?



「えっと…、篠原さん?」

「なに?」

「これは…一体…」

「あぁ、殴って記憶飛ばそうと」

「当たり前みたいに言うな!!」



私の手に握られた電気スタンドを三浦が奪い取る。


ちっ。



「篠原さんって、そっちが素なんだ?」

「……」


ニヤニヤと玩具を見つけたように笑う三浦に、やっぱり殴っておけば良かったと切実に思う。


私は、牛乳を拭いた雑巾を洗う様な目で三浦を見た。



「篠原さん、俺ともキスしようよ」

「は?」


唐突に何を言い出すんだ?

本性をバレた私はもう開き直っている。