三浦哉太……。
2年に進級し、同じクラスになったが、私は三浦と一言も話したことはない。
初対面と言っていいほどの三浦だが、この高校で知らない人はいないのではないだろうか。
程よい長さの茶髪に、切れ長の二重の目、高い鼻に、何よりムカつくくらい肌が綺麗なこいつの顔はとにかく完璧なほど整っている。
その容姿のせいか、来るもの拒まず去るもの追わずと遊び人の噂をかなり聞く。
現に、姿を見せた三浦の制服ははだけていて、行為終わりであることを疑わずにはいられない。
普通の女子なら、このフェロモンただ漏れ男にノックアウトされてしまうかもしれないが、私は今それどころではない。
この状況をどうするか……。
あぁ、戻りたい…。
先輩が来る前に戻りたい…。
2年になって保健委員になってしまったところからやり直したい…。
……てか、こいつ授業ほとんどいないと思ったらなにやってんだ。
もうこうするしかない、
意を決した私はベッドの上で未だ笑っていてる三浦に近づいた。



