【呪いの椅子】

「この椅子に座るとさ、死ぬって噂なんだぜ」

大学の卒業旅行で俺はサークルの仲間五人とロンドンへ行った。

今は心霊好きの友達の誘いで、呪いの品が置いてある博物館にいる。

「試しに座ってみようぜ」と俺。

「腹減ったし、飯行こうぜ」と和也。

「いいな。あそこにレストランあるぞ」と健。

みんなレストランの方へ向かう。

「ノリ悪いなぁ。記念だし、オレ座ってみるぞ」

勢いよく腰をおろす。

「あれ? 何も起きねぇし」

やっぱ偽物か。

みんなは俺に見向きもせず、歩いていく。

ちぇ、
なんか妙に無視されてる気がする。