「…違う。これはライハがユウキさんに…。ユウキさんより好きになれた人にあげる指輪でしょ?」



これは私が貰えなかった指輪。
私には貰う資格のない指輪だよ。





「ユウキより好きだから渡したんだ。もうユウキの事は気にするな」



礼羽はそう言うと、ギュッと抱きしめてくれた。




「…メイサを好きになったのはユウキに似てるからって言ったけど、それは…」


「もう何も言わなくていいよ。私はライハといられればそれでいいの。…もう、何も気にしない」



私は礼羽の口をキスで塞ぐと、そのまま優しい匂いのする礼羽に抱き付いた。





ユウキさんも
指輪の理由も
私を好きになってくれたきっかけも


もう気にしない。




礼羽といれるなら
もう何でも我慢するよ。






礼羽か私が我慢をしなくてはならない恋愛が

間違っていたとしても…。










「ライ…ハ…」

「…気がつきましたか?」



うっすらと目を開けると、そこは見知らぬ部屋だった。



…あれ?ここはどこ?




「…あの…」



体を起こすと、目の前には牛乳紅茶男がいた。