私、どうすればいいの?
もういない人とは
闘うものも闘えないよ…
「メイサ?」
礼羽が深く愛した人。
礼羽の心を突き動かした人。
私より礼羽と長い時間を過ごしてきた人。
その人はもう存在しない。
私は、何と闘えばいいの?
「…他には隠してる事ない?」
もう何も聞きたくなかったけど、これ以上まだ何かあるのなら今聞いておきたかった。
傷つくのは一回だけがいい。
そう思ったから。
「あるよ。もう1つだけ」
「何?」
「…この指輪。本当はユウキに渡すはずだったんだ」
礼羽はネックレスに掛かる2つのリングを触った。
重なり合ったリングがカチッと音を立てる。
「アイツが逝く間際に『ペアリングが欲しい』って言ったから、貯金してたお年玉や小遣いをかき集めて買いに行ったんだ。…指輪を買って病院に戻ると、もうユウキはいなかったけど…」
「…だから私にくれないだね。…その指輪は“本当に好きになった人”じゃなくて“ユウキさんより好きになった人”にあげるつもりでいたんでしょ?」
「それは違うよ」
「どうだか」
泣きたくなる気持ちを押し殺して私は礼羽から離れて歩き出した。
さっきおじいちゃんの家の庭から見た星空は本当に綺麗だと思ったのに、今見上げている星空はちっとも綺麗じゃなかった。
もういない人とは
闘うものも闘えないよ…
「メイサ?」
礼羽が深く愛した人。
礼羽の心を突き動かした人。
私より礼羽と長い時間を過ごしてきた人。
その人はもう存在しない。
私は、何と闘えばいいの?
「…他には隠してる事ない?」
もう何も聞きたくなかったけど、これ以上まだ何かあるのなら今聞いておきたかった。
傷つくのは一回だけがいい。
そう思ったから。
「あるよ。もう1つだけ」
「何?」
「…この指輪。本当はユウキに渡すはずだったんだ」
礼羽はネックレスに掛かる2つのリングを触った。
重なり合ったリングがカチッと音を立てる。
「アイツが逝く間際に『ペアリングが欲しい』って言ったから、貯金してたお年玉や小遣いをかき集めて買いに行ったんだ。…指輪を買って病院に戻ると、もうユウキはいなかったけど…」
「…だから私にくれないだね。…その指輪は“本当に好きになった人”じゃなくて“ユウキさんより好きになった人”にあげるつもりでいたんでしょ?」
「それは違うよ」
「どうだか」
泣きたくなる気持ちを押し殺して私は礼羽から離れて歩き出した。
さっきおじいちゃんの家の庭から見た星空は本当に綺麗だと思ったのに、今見上げている星空はちっとも綺麗じゃなかった。

