「奏音はそれで後悔しない?」



「……っ」



ここまで1年間、ずっと祈先輩に片想いしてきた。



その大きくなった"好き"の気持ちは、簡単に消すことはできないと思う。



ずっと心の中に残っているかもしれない。



「もしかしたら先輩も奏音のことが好きかもしれない。もしかしたら想いを伝えることで意識してもらえるかもしれないよ?」



そんな1%の可能性に夢を見てしまう自分もいる。



それと同時に99%の不安が押し寄せてきて、その1歩が踏み出せない。



「無理強いはしないけど、私は伝えるべきだと思うな。上手く行けば奏音と一緒に全力で喜ぶし、もしダメだったとしてもその時は私が一緒に泣いて慰めてあげる」



絵梨は友達の喜びも悲しみも一緒に感じてくれる人。



そんな優しい絵梨には、今まで何度も助けられてきた。



「後から後悔するなら、やらない後悔よりもやって後悔した方が気持ちがスッキリするよ」