「もう奏音は心配しすぎだよ。あの優しい祈先輩だよ?きっと受け取ってくれるよ」



「うん……」



絵梨が慰めてくれるけれど、不安はなかなか消えず喉が渇いて自分のサクラ・ラテを流し込んだ。



「祈先輩に奏音の想いは伝えないの?」



「…んっ、えぇっ!?」



突然のぶっ飛んだ質問に思わず口に含んだサクラ・ラテを吹き出しそうになった。



「だってもうこれからは祈先輩に会うことが難しくなるでしょ?奏音はこのまま先輩と離れるだけでいいの?」



それはごもっとも。



都心までは距離はあるけれど行けない距離ではない。



それでもすぐに行けるわけではないし、行ったところで祈先輩にまた会える保証はどこにもない。



しかも私の学力では、祈先輩の進学する大学に行くことは到底不可能。



明日のアルバイトが終われば、祈先輩とのカンケイは消えてしまう。



でも……



「気持ち伝えたところで、きっと祈先輩は私のこと後輩としか見てないよ」



いつしか、祈先輩には好きな人がいるのだと耳にしたことがある。



きっとフラれて終わるに決まってる。