千景くんは魔法使い



それから私はずっと顔のゆるみが抑えられなかった。

千景くんに可愛いと言われたこともそうだけど、私たちは連絡を交換した。

もちろん千景くんのほうから、しようって言ってくれた。

スマホなんて目覚まし時計の役割しか果たしていなかったというのに、今はキラキラと輝いて見える。

……千景くんのアイコン、サッカーボールだ。サッカーが好きなのかな。


「学校ではスマホ禁止ですけど?」

5時間目の休み時間。トイレに向かっている途中で、他のクラスの女の子たちに声をかけられた。

顔は知っていても、名前がわからない人たちばかりだ。


「……あ、ごめんなさい」

私は慌ててスマホをスカートのポケットに入れる。