別に変なことを言ったつもりはなかったけれど、なぜか千景くんはクスリと笑っていた。
「じゃあ、俺にも手伝わせて?」
そう言って、千景くんは私と同じように腕を捲りだした。
普段見ることがない腕にドキッとする。千景くんは手も大きいけれど、腕も血管がほんのりと浮いていて、私の腕とは全然違う。
……男の子、男の子だ……。
なんだか当たり前のことを、ひしひしと感じてしまっていた。
「どうしたの?」
太陽の下で見る千景くんの瞳は、ひまわりが咲いているみたいな模様をしていて、花壇にある花と同じくらい綺麗だった。
「ち、千景くんは草取りしちゃダメだよ……」
「なんで?」
「だって、手が汚れちゃう」
理由はそれだけじゃない。女子の憧れである千景くんに草取りをさせることに対しての申し訳なさもあった。
すると、千景くんはわかりやすくため息をついた。
「俺、べつに特別なんかじゃないよ?」
そう言って、少し怒ったように草を取り始めた。
私なんかよりもよっぽど効率がよくて、終わらないと思っていたのに、千景くんはあっという間に残っていた草をすべて抜いてくれた。



