千景くんは魔法使い




「え、今の花火ってちっちがやったの?ってことは……やっぱりちっちは魔法を使えるようになっちゃったの!?」

興奮したように話しかけると、ちっちはまた屋根の上に戻ってしまった。

そこには三毛猫がいて、どうやらちっちもデート中だったようだ。


「部屋の鍵の謎が解けたね」

千景くんがクスリとする。


「今度はちっちが魔法使いかー。なんかイタズラされそうで怖いな」 

「でも、また騒がしくなりそうでいいじゃん」

「はは、うん。そうだね」

きっとまたドタバタとしながら、楽しい毎日が待っているのだろう。


「花奈」

「ん?」

返事をしたのと同時に、千景くんがちゅっと私の唇にキスをした。


「これからも末長くよろしく」

「……っ」


この2年間で、私は何度も千景くんにドキドキさせられてきた。

こういう不意討ちも初めてではない。


きっとこれからも、千景くんにしか反応しない心臓は休まることはないんだろうと思う――。



《END》