結局、広場は人が多すぎて入れなかった。場所を探しているうちに花火がはじまってしまい、木に邪魔されながら打ち上げ花火を見た。
「ごめん。俺がもう少し早く広場に移動しようって言えばよかった」
そして帰り道。千景くんが家まで送ってくれていて、私たちは並んで歩いていた。
「ううん。私も食べることに夢中になってたし、全然気にしなくていいよ!」
綺麗な花火は見えなかったけれど、こうして浴衣を着て千景くんと一緒にお祭りに行けただけで私は満足だ。
すると、千景くんがふと足を止めた。
「花奈、来年も一緒に祭りに行こう」
千景くんがまっすぐに私のことを見つめていた。
「うん、行こう」
軽く返事をすると、ずっと繋がっていた手を千景くんがぎゅっとした。
「来年だけじゃなくて、再来年も、その次の年も。高校を卒業して、またお互いの環境が変わって、大人になっても、俺は花奈と一緒にいたい」
千景くんの真剣な声。まるでプロポーズされているみたいで、嬉しさがじわじわと込み上げてきた。



