そんな先輩を見て伝染したかのように、熱が移ってくる。
「「……っ」」
お互いバッと目を逸らして、鼓動を落ち着かせた。
ただでさえ付き合ってないのに、このまま先輩と付き合ったら……もっと胸が騒いじゃうの?
今でも恥ずかしくて、穴が入ったら入りたいのに……でも、どうしてだろう。
そんなに嫌じゃないんだ。
まだ平静を取り戻しきれてないけど、先輩をチラ見する。
片手を口元に添えたからあまり見えないけど、そのわずかな隙間から口角が上がっていた。
これは、嬉しいってことなのかな……?
完璧な生徒会長の素顔に触れた気がして、安心した。
安心?……あ、そうか。そういうこと。
「先輩、本当にわたしのこと好きなんですね」
やっと、信じられた。
まだあまり信じられないけど、嘘じゃないんだって知ったから安心したんだ。