俺から逃げられると思うなよ

「だったら、お母さんに会いに行こ!」



そう言って、千秋くんが私の携帯を奪う。

それはあっという間の出来事で。


涼なんて、玄関に向かっているし。

神崎くんは、紙袋に何かを詰めていた。



「神崎くん……? なにしているの?」

「手土産」

「い、いらないからね!?」



3人の行動にあたふたしながらも、今までと変わりない日常が戻ったようで嬉しい。


これが、私の日常なんだ。

幸せなんだ、って思える。


また、3人が玄関前で言い争っている。


そんなことさえ、幸せで。


私はリビングを飛び出して、彼らのもとへ走っていった。

そのまま、彼らに抱きつく。



天然でクールな一面も持つ、神崎くんも。

見た目は怖いのに、意外と照れ屋な涼も。

可愛いけど、腹黒い千秋くんも。




「私からも逃げられると思わないでね!」





end.