「俺は、茜を守りたい……」



神崎くんの言葉は心に響いた。


だけど、私もみんなを守りたいんだよ。

私といると、巻き込んでしまうんだよ。


私が、元クラスメイトをかばって、いじめられたときのように……。



「私は私の力で自分を守れるから」



立ち上がってスカートについたほこりを払う。



「じゃあ、先に教室に戻るから」



彼らを置いて、屋上を出て行く。

ギリギリまで笑顔を保って。


屋上を出た瞬間。

涙がこぼれた。



今日で、彼らと関わるのは最後だ。

あの家にも帰らない。


大切な人たちを守るための行動。



弱い私を、許してください。