こうやって、話を聞いてくれる人がいる。


私の手を握って、目を潤ませてくれる千秋くんがいる。

私の頭に手を置いて、力強さを分けてくれる涼がいる。

私の話から目を背けることなく、聞いてくれた神崎くんがいる。


こんなにも私のことを大切に思ってくれていることが伝わる。

私も、彼らに負けないくらい、彼らのことを大切だといえる。


だから。



「……私から離れて」



私の言葉は、屋上に響いた。

目を見開く彼ら。



「なん、で……」



神崎くんが呟く。



「3人といると、変に目立つから。余計いじめられるかも」



精一杯の笑顔を作る。

笑顔で彼らを突き放す。