「どうしていいのかっ、分からないよ……っ」

「茜……」

「もうっ、怖い思いはしたくないよっ」



声を上げて泣いていると、屋上の扉が開く音がした。



「茜ちゃんっ」

「穂村……」



千秋くんと、涼の声。


2人も来てくれたんだ……。


安心する反面、彼らといると迷惑をかけてしまうかもしれない怖さがある。

迷惑をかけてしまうかもしれない……。

私は、抱きしめてくれていた神崎くんに『ありがとう』と言ってから、離れる。



「茜ちゃん! 何があったか、話せる?」



千秋くんの言葉に、私は首を横に振る。


膝を抱えて座り込む私を、彼らは心配してくれているのに……。


申し訳ない気持ちも膨らむ。

そんな私の気持ちを察してか、涼が頭を撫でてくれる。



「穂村。話せ」



涙を拭いて3人を見れば、真剣に私を見てくれている。


この3人になら。

今なら話せる。



「私……」



言葉を詰まらせながらも、覚悟を決めて話す。