震えた体のまま、私は。


抱きしめてくれていた千秋くんと、近くで守ってくれている神崎くんを思い切り突き飛ばした。

そしてギャラリーを押しのけ、走った。


走って、走って。

たどり着いたのは、人目のない屋上。

私は屋上のフェンスの前に座り込む。




「なんで……っ」



これじゃ、転校してきた意味がない。

転校前の高校で……、いじめられていたことを鮮明に思い出す。

思い出したくなくても、思い出してしまう。


こわばる体を思い切り抱きしめる。


守ってくれた彼らを突き飛ばしてしまった。

巻き込んでしまった。


このまま、彼らが私と一緒に居たら……。

彼らも、なにかされてしまうかもしれない。

もう、一緒には居られない。


そう、思った私は、彼らと距離を置く方法しか思い浮かばなかった。