「なにひとりで突っ走ってるんだ、アホ」

「僕たちにも、相談してよねっ」



後ろから、息を切らした声が聞こえる。

振り返れば、大好きな仲間が立っていた。



「蓮を探すんだろ?」



涼の言葉に頷く。



「大体の場所は分かるから!」



千秋くんの言葉に涙がこぼれる。



「多分、親父のところだろ?」

「僕もそう思う」

「あいつ、ひとりで無理しすぎだ」



私たちは顔を見合わせて頷いた。


今から、神崎くんのところへ向かう。



「行くぞ」



涼が私の手を取り走り出す。

千秋くんも走って同じ方向を目指す。


繋がれていない片方の手で、私は涙を拭った。



神崎くん、待っていてね。

絶対、神崎くんのことを守るから。