再び歩き出した2人のあとをついていく私。


どういうことっ!?

え、なに?

誰の家に寄るの?

神崎くん?

涼?

どっちの家にしても嫌なんだけど!


私、男子のお家にお邪魔したことないから!

お母様とか出てきたら気まずいじゃん!

やだよ!?


そう思うのに言葉に出来ず、神崎くんに引っ張られ続ける私。


歩き続けること5分。

神崎くんが急に立ち止まる。



「わっ」



急に立ち止まった神崎くんの背中に衝突する私。


鼻が痛い。

思い切りぶつかってしまった。

ごめん、と言いながら、目の前にある建物を見上げる。

そこはアパートでもマンションでもなく。


一軒家。


誰のお宅ですか!?

そう思って表札を探すけれど……。

表札がない!?


目の前の家は、2階建てのどこにでもありそうな普通のお家。


変わっているのは、表札がないってことだけ。