「話聞いてんのかっ!?」



少し顔を出して覗き込めば、男の子の胸倉を掴んでいるガタイのいい男。

これは、ちょっとやばいんじゃ……。


思わず、私は飛び出していった。



「何しているんですかっ!」



突然現れた私に、戸惑う男3人。

ついでに、男の子もびっくりしているようで。



「その手! 離してください!」



私が男の手を指差すと、その手は簡単に男の子から離れた。

案外、素直な男じゃん。


と、思っていると。



「ああっ? お前、神崎の女か!?」



なんて、詰め寄られる。


近い近いっ!

男の顔が近いんですけど!



「神崎って人は、存じ上げないですけど!」



私は後ずさりながら、必死に声を出す。



「彼女想いの、あなた方は素敵だと思います! だから、その手は彼女さんの頭を撫でるとか! そのために使ってあげてください!」



しーん。


静まり返る階段下。


私、変なこと言いました?