女の子たちも、涼相手に、よく絡むなぁ。

私なんて、初めて会ったとき、怖くて近寄りたくなかったんだもん。

そんなことは、今はどうでもいいんだけど。


涼を連れ戻さなきゃ。

私は深呼吸をして、涼のそばまで駆け寄った。



「やっと見つけた！」



私は涼の腕に、少しだけ触れた。

突然の私の登場に驚く、涼と女の子たち。



「もうっ、どこに行ってたのー？」

「は？」



涼は眉間にしわを寄せたまま、私に視線を向ける。


そんな顔をしないでよ。

私は今、“涼の彼女”の演技をして連れ戻そうとしているんだから。

だから、話を合わせてよね。


そんな気持ちを込めて、私は笑顔をキープしながら涼を睨む。



「早くかき氷、食べに行こ！」

「え……、あぁ」



ようやく、私の意図を読み取ったのか、話を合わせてくれる涼。