立ち止まって様子を伺えば、女の子3人に囲まれている涼の姿があった。


涼……。

あれは、困っているというより、イライラしているな。


仕方がない。

私が助けてあげようではないか。


まあ、ここで涼がキレたら危ないことになりそうだし。

その前に涼を、あの女の子たちから救出しようではないか。



私は涼と女の子たちに近づいていく。

会話がはっきり聞こえるようになってくる。



「私たちと遊ぼうよぉ」

「……ウザイ」


「えーっ? 楽しませてあげるよ?」

「しつこい」


「そういうところも好きっ」

「他を当たれ」



完全に女の子たちを拒んでいる涼。

その眉間にはしわがよっていて、心底嫌なんだな、と感じる。