「俺、問4が分からねぇ」



涼の言葉に、うつむいていた顔を上げる。


……そっか。

みんな、理解できているところと理解できないところは、それぞれ違うんだ。

授業みたいに放課後勉強したって、意味がないのかもしれない。

それに、部活をやっている人は部活の時間を奪ってしまうことになるし。


止まっていた私の頭はフル回転を始める。

フル回転した私の頭は、私の体を動かしていく。


私は足元に置いていた鞄の中から、未使用のルーズリーフを取り出す。

それを1枚ずつクラスメイトに配る。

不思議そうな顔のクラスメイトに言う。



「今配ったルーズリーフに、間違えた問題の番号を書き出してください!」



首をかしげたままのクラスメイト全員に聞こえるように。