今日の授業は、期末テストの返却だ。

テストの出来は、まあまあだったと思う。

決して難しいテストではなかった。


夏休みも近いのに、赤点になったら最悪だ。

勉強三昧の夏休みにはしたくなかったので、一生懸命勉強したけど。

テストが返ってくる瞬間は、心臓に悪い。


数学の先生が教壇に立つ。



「このクラスの平均点は、46点だ」



平均点が50点以下!?

今回、それなりに自信はあったけれど、平均が46点なら思ったより問題は難しかったんだ……。



「今回、20点以下の赤点取った奴! 再テストで50点以下だったら夏休みは補習だ!」



うーん。

20点以下ってことはないと思うけど。


でも。

私、テストに名前書いたっけ!?


お、覚えていない。


テスト用紙を配られた瞬間に、問題に集中していたから……。

名前の書き忘れで0点ってことはないよね!?



「穂村っ!」



急に先生に名前を呼ばれて、私は思わず席を立ち上がる。



「はい!?」



な、何かしましたか!?

やっぱり、私だけ名前を書き忘れた!?