「千秋は、穂村に遊びに誘って欲しいんだよ」

「えっ」



涼の言葉に、思わず千秋くんを見る。

千秋くんは騒ぐのをやめて。



「そ、そんなことないもんねっ」



なんてそっぽを向くから。



「あ、そう?」



少し意地悪をしてみる。


どれだけ遊びに行きたかったんだろう。

私が意地悪すると、千秋くんは目をうるうるさせて私を見つめてきた。


か、かわいいけど……。

なんか。



「穂村が千秋を泣かせた」



涼が笑うけど、まさにその通り、って感じ。



「茜ちゃんは、僕のこと、嫌い……?」



なんで、そうなる。

話がぶっ飛びすぎだ。

だけど、ここで『好き』と言わなければ、泣いて屋上を飛び出しそうな千秋くん。


まあ、嫌いじゃないし。

むしろ、大切だと思っているから。



「好きだよ?」



と、答えたんだけど……。


再び目をうるうるさせている。

どっちにしろ、泣くのか。

熱い太陽のせいで、汗が目から流れちゃったのかな。