「茜ちゃん!」

「んー?」



あの1件以来、千秋くんが私に絡んでくることが多くなった。

今日も屋上でお昼ご飯を食べているけど、千秋くんが私の隣にいる。



「暑いねー」

「うん、暑いね」



確かに暑い。

もう、7月半ばだもんね。



「もう少しで夏休みだねー」

「うん、そうだね」



夏休みは実家に帰るのだろうか。

それとも、今の家に居てもいいのだろうか。

私としては、この3人と居たいけど。



「夏といえばプールだよね! 海だよね!」

「うん、そうだねー」



もう少しで始まる夏休みをどう過ごそうか考えていると。



「茜ちゃんっ! 聞いてる!?」



千秋くんが急に騒ぎ始めた。



「えっ、なに? 聞いてたけど」



千秋くんの言葉にちゃんと返事していたじゃん。


私が首をかしげると、千秋くんはさらに騒ぎ出す。


その理由は、涼が教えてくれた。