「あっ、あれ?」



涙がこぼれた。

泣く必要なんてどこにもないのに。


だけど、強いて言うなら。



「泣くなよ」



涙を拭ってくれる、やさしい表情の涼と。



「茜。 帰ろう?」



頭を撫でてくれている神崎くんと。



「あっ。ようやく見つけたーっ!」



走って駆け寄ってきてくれる千秋くんが見えて。



安心したんだと思う。

私は3人が大切なんだ。

その3人がそばにいてくれている、と思えるから。


幸せを感じて、涙がこぼれた。

それと同時に、笑顔もこぼれた。