ついこの前の日曜日。三人で遊んだあと、私達は美花のバイクに三人乗りして、この近くの海岸を走った。


あんなに心地のいい風をあびたのは生まれて初めてだった。


「ありがと、みんな。これからも、ずっと一緒にいたかったよ。それだけが、私の後悔だ」


祐希が手を差しのべると、美花は勢いよく祐希を突き飛ばした。


「美花?」


私が祐希の体を受け止めた直後、美花の体は硬直し、動かなくなる。


私は車道をはさんで向かい側にある歩道に目をむけた。


そこにいたのは、黒髪の少女。


「喰喰っ!!」


喰喰は遠くの美花に手をかざし、ニヤリと笑っていた。