「そのうえ妹もあいつのせいで植物状態。家族をバラバラにしたうえに、あいつは不知火の最大のタブーである殺人を犯した罪で、グループを追放されたんだ」


とてもじゃないけど、そんな話が信じられるはずもない。


けれど思い返せば、美花が自分の過去を語ったことは一度もなかった。


それに学校が終わると、毎日のようにバイトでお金を貯めて、どこかへ行って…


もしかしたら、美花は妹のいる病院に通っていたのかもしれない。


だとしたら、美花の願いって…


「違う。あれは美花のせいじゃない…」


後ろから声がする。そこには瞳を潤ませた祐希が立っていた。