思わず息を飲む。見覚えのある顔だ。毎日、四組で顔を合わせていたから。 ゆっくりと音を立てないように後退する。手にはスマホ。“あいつ”の殺戮はしっかりと撮影できた。 しかし、 「誰? 誰かいるの?」 声をかけられた。目が合った気がする。血の涙を流した、真っ赤な目。バレた? 「くそっ!!」 私は全速力でその場から走り去る。 「あーあ、美花に見られちゃったかな? けどまぁ、問題ないか。どうせ美花は、24時間以内に死ぬんだからね…」