☆☆☆ 「ん…?」 なんだか懐かしい匂いがする。 ……あ、思い出した。 これ、お母さんが作ってくれた肉じゃがの匂いだ。 お母さんの料理の中でいちばん好きだった。 もうあの味は……二度と食べれないのかな? 「メイ、意識が戻ったみたいだね」 体を起こすと、私はソファーで眠っていた。 響介はテーブルに夕飯を並べている。メニューは肉じゃがだ。 「気絶して二時間が経ったよ。見た目より傷は浅かったみたいだ」