視線を空から美花に移すと、同時に美花も私を見た。


視線がかち合うと、美花は柔らかな表情で微笑んだ。


「ありがとな。メイ…」


美花は私の肩を叩き、駆け出す。


「大丈夫。まだこれが本物だって決まったわけじゃねぇよ。凛夏が適当言ったかもしれねぇし、今日のだって偶然かもしんねぇだろ?」


「だけど…」


「不知火最強と言われたこの私を信じろって! 喰喰の不幸なんかには、負けねぇからさっ!」


……そう言って手をふる美花が、向かう先。


そこが難病の患者を受け入れる専門病院だと気づいていれば、


私は美花が抱える不幸を、ほんの少しでも、軽くできたのだろうか?