凛夏は顔を真っ赤にして、興奮したように笑い出す。


「例えその不幸で家族が死のうが、友達が死のうが、私には関係ない。だって空君を手にいれる以上の喜びなんて、私にはないんだからね」


家族の死が、関係ない?
私には理解できるはずもない。


「空君は私にとって、最高のイケメンなの。理想のお顔なの。それが私のモノになったんだよ?」


美花は今にも凛夏を殴ってしまいそうな勢いだった。


中学のとき、萌華と空と同じクラスだった美花は、二人の絆が本物だったことを知っているからだ。


「違う。今でも空君は萌華を愛してる。あんたじゃなくて萌華を。あんたは、空君の愛を手に入れてない」


「それがなに? 私は空君の愛なんていらない…」


「えっ…?」