私と美花は凛夏を誰もいない体育館倉庫に呼び出した。


美花は抵抗したらぶっ殺すとか言ってたけど、凛夏は案外、すんなり来た。


「そうだよ。私は喰喰との契約者だよ」


あっさりと自供する凛夏。


凛夏は制服の袖をめくり、腕を見せる。


そこには、鎖をあしらった、4cm程度の魔方陣が描かれていた。


「これが私の印…。模様は人によって違うんだってね」


「あんたは何を願ったの?」
と私。


「空君が、私に服従すること……かな?」


凛夏はニヤリと笑う。


「ごめんね。正確には覚えてないんだ。知らないかもだけど、血の契約はその過程を忘れてしまうからね」


「代償となる不幸も忘れたんだろ? テメェ、どうなるか分かってんのか?」


美花はさっきからイライラしていた。


「分かってるよ。けど、私は怖くない…」