濁流のように、私の頭にはあの日の映像がフラッシュバックした。


「うわぁぁああ!!」


駅に響くほどの叫び声をあげ、私はその場から逃げ出した。


どれだけ走っただろう?


気がつくとそこは、私が育ち、家族が殺されたあの家だった。


……あんな事件があったから、すでに封鎖されていると思っていたが、外観は昔と変わらない。


ちょうど近くを通りかかったおばさんに、私は声をかけた。


「ここの家の人は? 殺されたんでしょ?」


私がきくと、おばさんはきょとんとした表情を浮かべた。