☆☆☆ 「芽依、芽依…」 誰かの声に呼ばれ、私は目を覚ました。 そこは、桜が満開に咲き誇る水辺。 昔、春に家族全員でお花見をした、思い出の場所だった。 「お母さん…」 目の前には、死んだはずのお母さんがいた。 手を差しのべられ、取ると、私は体を起こす。 その近くには、お父さん。 そして、和哉がいた。 「みんな、どうしてここに?」