みんなが作戦を実行し、全ての準備が整ったあと、私は喰喰との決着をつけるために、ひとりで屋上へむかった。


よく晴れた空だ。


宝石を散りばめたような星のパノラマ。


白い光を残し、真っ直ぐに走る彗星。


それらが発する藍色の光のもとに、私と喰喰は再び対面した。


「これ、大きいけど見える?」


喰喰が地面を指差す。


そこには、屋上のほとんどの面積を埋めるほど巨大で、時計を模した、複雑な模様の魔方陣が描かれていた。


「これが終末の時計。千人の人間の魂を喰った私が、全霊を持って描いた、世界を正すための“おまじない”よ…」