ーーーーーー

ループをする前の世界線で、


俺は異性を好きになることができない、自分を『ボク』と呼称する、他の子とはずいぶんと変わった“女の子”だった。


けれど、自分の性別と体の不一致を誰にも打ち明けることができず、自分をあいまいな存在とみなして、なんとなく生きていた。


中学三年生の夏、俺は友達に誘われて無理やり行った合コンの帰りに、参加していた男の子に襲われそうになった。


そのとき、俺を助けてくれたのがメイだった。


俺は目を疑った。