☆ 気がつくと私は、響介と暮らす前に寝床にしていたホテルにいた。 ブルブルと体の悪寒が止まらない。 毛布をかぶり、光を遮り、ひたすら恐怖に耐える。 「私が家族を殺した。私が」 ふとベッドに、割れたガラスが落ちているのがみえた。 そうだ。これで首を切って死ねば、楽になれる。 私はガラスを手に取り、かまえる。 こんな私を、響介や祐希が許してくれるはずない。 家族を犠牲にして生き延びた私なんて、生きてちゃいけない存在なんだ。 そう思い、首を切ろうとした直後、 スマホのバイブ音が鳴り響いた。